書訊:蔣介石の「国際的解決」戦略:1937-1941「蔣介石日記」から見る日中戦争の深層

書名:蔣介石の「国際的解決」戦略:1937-1941 「蔣介石日記」から見る日中戦争の深層 作者:鹿錫俊
出版社:東方書店
出版年:2016年02月
頁數:336頁
ISBN:9784497216021
價格:4,320日圓

作者簡介:
鹿錫俊教授為日本大東文化大學國際關係學部國際文化學科教授,長年參與本所蔣介石研究群活動,發表演講、參與國際學術研討會、擔任本所訪問學人,並曾發表論文於本所出版之《蔣介石與現代中國的形塑》。


目錄:

はしがき 「蔣介石日記」の価値と本書の意義(宇野重昭)

序論

第1章 「国際的解決」戦略の論理と日中戦争の長期化
一 「国際的解決」戦略の浮上と秩序観の変化
1.第3の道
2.国民政府の秩序観
二 塘沽停戦協定後の対日政策の性格
1.妥協拒否の背景
2.「判断3」に基づく局部的妥協
3.「連外制日」をめぐる対立
三 胡適と王世杰の通信に見る抗日戦のシナリオ
1.「代価ある譲歩案」とその理由
2.「不惜犠牲案」のシナリオ
3.王世杰の返信に見る国民政府の反応
四 蔣介石の独白から読み解く抗日戦決行の理由
1.中国の強硬化
2.蔣介石の独白
五 日本の日中紛争解決策と戦争の長期化
1.日本の自己矛盾
2.解決策をめぐる対立
3.紛争長期化の宿命

第2章 危機と転機、そしてヨーロッパ情勢への対応
一 抗戦初期の危機と蔣介石の動揺
1.危機と悲観
2.蔣介石の動揺と葛藤
二 日米関係の悪化と中国の転機
1.東亜新秩序論とアメリカ
2.中国の転機と分岐
三 ヨーロッパ情勢への懸念と抗戦目標の抑制的設定
1.ヨーロッパ情勢への懸念
2.抗戦目標の抑制的設定
四 ドイツ要因と外交政策の調整
1.日本による南進の脅威の強調
2.対米工作の強化
3.日独伊関係に対する再定義

第3章 独ソ不可侵条約とヨーロッパ戦争開戦をめぐって―日記から見る蔣介石の政策決定過程―
一 独ソ不可侵条約直前の蔣介石の時局認識
1.ヨーロッパ情勢の日中両国への影響について
2.ヨーロッパ情勢への対応について
3.どのような同盟関係が中国にとって有利であるかについて
4.英仏ソの協力関係について
5.日ソ両国の対外政策および相互関係について
6.ヨーロッパ戦争と日ソ戦争の可能性について
7.小括
二 条約締結のソ連側同期をめぐる判断
1.国民政府外交部門の認識
2.蔣介石の認識
三 対独方針をめぐる論争
1.対独宣戦か、中立か
2.蔣介石の思惑
3.困惑と執念
四 挫折後の反省
1.挫折
2.反省

第4章 「二つの同時」論と「世界的規模収拾策」―異なる「国際的解決」戦略の交錯―
一 早期講和論の否定
1.「国際的解決」戦略の再構築
2.胡適:「日中講和の乗り越えられない障碍」
3.内外情勢の変化4.抗日戦継続の決定
二 「二つの同時」論の登場
1.対ソ不信と対米期待の交叉
2.「二つの同時」論と「国際的解決」戦略の深化
三 日本の「世界的規模収拾策」
1.日米通商条約廃棄通告への反発
2.ヨーロッパからのチャンスと「広義の東亜新秩序」論の浮上
3.対米緩和策への反動
四 異曲同工:日中戦争世界化への合流
1.日本なりの「国際的解決」戦略:世界的規模の事変収拾策
2.アメリカの説得と日本の拒否
3.三大方針の確定

第5章 援中ルート閉鎖期間の試練―1940年夏における対独・対日政策の再選択―
一 ヨーロッパの劇変と蔣介石の憂慮
1.劇変到来前後
2.憂慮の背景
二 「日本のみを敵国とする」方針への復帰
1.対独改善論の高まり
2.蔣介石の分析
3.「両全方針」の浮上
三 二つの「一辺倒」を制止する
1.「棄英連独」論の高揚
2.蔣介石による「両全方針」の堅持
四 「講和」の得失をめぐる再検討
1.対日講和:反対から模索へ
2.蔣介石の決定を見るための三つの視角
五 蔣介石の選択を支えた二つの柱
1.日本の政策決定動向への観察
2.独ソ英米相互関係の趨勢への展望
3.小括

第6章 日独伊三国同盟をめぐる多角外交
一 日独伊三国同盟への最初の反応
1.蔣介石の態度
2.徐永昌らの意見
二 「上策」の決定と蔣介石の構想
1.転換点と「暫定方針」
2.下策・中策・上策の比較
3.「上策」の可能性と必要性
三 ソ連要因をめぐる考察
1.ソ連への懸念
2.対ソ思考の結論
3.スターリンの返答を得た前後
四 対英米外交の展開
1.蔣介石と英米大使との談話
2.中英米三国提携方案
五 対日「平等講和」の試み
1.第1段階:「策略講和」
2.第2段階:「本格講和」
3.危惧と期待
六 2カ月後の結末
 
第7章 独ソ戦争への予測と対処
一 独ソ関係の帰趨についての観察
二 英独戦争の勝敗についての展望
三 「独ソ必戦」論の正と負
四 「日ソ中立条約」誕生前後の光と影
1.「独ソ必戦」論による動揺の克服
2.ソ連を先に参戦させるためにアメリカへ独ソ関係悪化を通告
3.内部への説得と中共への情報リーク
五 独ソ戦争勃発後の思惑
1.歓喜と葛藤
2.「中ソ英米反侵略聯合戦線」論の真意
3.対独国交断絶の動機

第8章 日米交渉期の攻防―日本の対応と蔣介石の反応―
一 国際情勢に左右される日中関係
二 日本の対中目標と「中国問題優先」方針
1.「日米両国諒解案」の規定
2.「5月12日日本対案」の狙い
三 対中条件をめぐる日米対立
1.日汪「新関係」の性格
2.「6月21日アメリカ対案」
四 独ソ戦争勃発後の日本の針路
1.松岡に代弁された「北進」優先論
2.「対南方優先、対北方準備」方針の確定
五 蔣介石の対日誤判と対米英不満
六 「近衛メッセージ」をめぐる摩擦
1.「近衛メッセージ」とアメリカの返答
2.中国側の誤報と「日本屈服」論
七 中国の価値と日本の「最小限度要求」
八 東条英機の心臓論と日本の対米開戦決意
九 中国の反応と日中戦争の世界化
1.「中国問題」と日本の対米開戦
2.日中戦争世界化の要因

終章 蔣介石外交の評価
一 日ソ不可侵条約から日独伊三国同盟に至る期間の「想定外」
二 日本にとっての転換点と単独解決機会の喪失
三 「日本切腹、中国介錯」
四 蔣介石外交の評価と今後の課題

主要人物紹介/あとがき/参考文献目録/索引

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